子どもを中心にした住まいづくりの前に、次のことを考えたことがあるでしょうか。一つめは、子ども部屋に、ベッド、机、本棚、クローゼットを置くスペース以上の広さが必要かどうか。二つめは、親の寝室より環境が良く、広い部屋を与えることが、子どもの精神にどう影響を与えるか。三つめは、「子どものため」という愛情や期待を優先し、夫婦はこうありたいという意識や感情を抑えて、粗末にしていないか。四つめは、夫婦が過ごす場が貧弱になると、「会話時間」が少なくなってしまうのではないか。
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おそらくこの四つの項目については、ほとんどの人が考えていないはずです。それは住まいばかりでなく、日本の社会全体に子どもに甘い「子ども中心主義」が蔓延しているため、夫婦を中心にした意識が入り込む余地や心の余裕がなくなっているからなのかもしれません。その結果、住まいづくりにおいては、子どもが最も望んでいる「プライバシーが優先された、快適な個室」を与えることになっているのです。一方、親が「子どものため」と思ってやっていることが、子どもが親に感謝する状況を生んでいるかというと必ずしもそうではありません。なぜなら、子どもは親が払った犠牲に気づくよりも先に、自分の存在や家庭内での序列について本能的な解釈をしてしまうきらいがあるからです。譬えはよくないかもしれませんが、飼い犬でさえ自分の序列を定め、家族それぞれへの接し方を区別していると言われているように、犬と同じ社会性動物である人間もやはり無意識のうちに序列を感じ、それが言動にあらわれるようになります。
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